サイゼリヤ

18日サイゼリヤが安い、株主優待変更受け小口売り

 サイゼリヤ  <7581>  が安い。前日に決算発表を行うとともに、今2006年8月期の増配と株主優待制度の変更を発表した。同社はイタリア料理店をチェーン展開している。これまで1000株以上保有の株主に対して一律2万4000円の食事券を送付する優待制度を導入していたが、今期末から食事券を従来の半分の1万2000円とし、そのほかに3割引券10枚を贈呈することにした。一方で、配当金は前期実績の10円に対して13円に増配する。
 1000株保有の株主も10万株保有の株主も食事券は一律贈呈のため「優待券利回り」については1000株株主の方が圧倒的に大きい。株主への公平な利益還元との観点から株主優待を半分にし、一方で配当水準を引き上げる措置を取る。合理的な施策と解釈できるが、本日は「優待利回り」が低くなることを嫌気した株主からの売りが先行したもよう。
 最近の株式市場では、手厚い株主優待制度を導入する株式に対して、権利付き最終日に現物買い・信用売りを実施し、権利落ち後に現渡しをして、優待の権利を取る投資家が急増している。サイゼリヤの場合も、今年8月の権利落ちの際には信用売りが膨れ上がり、1日あたり1株に付き6円、2日で12円の多額の逆日歩が発生した経緯があった。
 会社側では「決算期末に近い時期に異常と思われる取引が株式市場で行われるなど、本来の株主優待制度の趣旨とは離れた実情がうかがわれるようになったため、制度の見直しを進めた」としている。(S.K)
[ラジオNIKKEI2005年10月18日]