UFJ総合研究所 ファンダメンタルセミナー 米国編

珍しく、平日の夕方のセミナーに参加してきました。外貨EXのシーエーキャピタル主催で、UFJ研究所 投資調査部 主任研究員の森山 昌俊さんの講演でした。CAはどうやらサイバーエージェントのことらしい(笑)
米国のファンダメンタルということで、米国経済指標を使っての景気予測についてでした。
アンケートに答えると、「外貨で月20万円稼ぎ続けている・・・」という本がもらえました。買わなくて良かったです(^^;それと、為替カレンダーの下敷きです。

  • 景気の現状

景気は鉱工業生産と連動しているということが分かります。01年3月を山とする景気後退は同年11月に終了していて、それ以降は徐々に回復中となっています。

  • 企業部門 ①生産・設備投資

製造業出荷前年比−在庫残高前年比はこれまで5つの山を形成していて、それぞれがおよそ30ヶ月で循環しています。現在は03年5月をボトムとして山を形成後のボトムを探っている状態で、30ヶ月周期が続くとすれば、05年11月にボトムを打って上昇する予測です。

  • 企業部門 ②収益・価格決定力

現在のGDP(名目の売上)は、金額の高さによる売上ではなく、薄利多売による売上が上昇していて、雇用コストの上昇が企業の税引き前利益を押し下げています。レイオフで雇用コストを抑制した時は税引き利益が急拡大しましたが、現在は再度雇用コスト抑制が必要な局面に来てるそうです。

  • 家計部門 ①雇用・所得

6月の雇用は強めも、企業のコスト抑制姿勢で、基調は鈍化方向らしいです。求人広告指数・失業保険新規申請件数が、非農業雇用に先行していて、すでにピークアウトしているので、今後は雇用の伸びは鈍化する模様。毎月第1金曜に発表される雇用統計は世界の注目らしい。

ガソリン高により必需品以外で支出を減らした消費者では、年間所得25000万ドル以下の年間所得者では05年7月には57%に上昇していて、平均では05年3月の41%から50%に上昇しています。最初は我慢していた消費者が、数ヶ月遅れで支出を減らしてることが分かります。つまり、原油高騰で今後さらに影響が出る恐れがあります。

人民元切り上げによりアジア通貨が上昇していますが、人民元切り上げが進むことにより、中国の輸出が落ち、景気が後退すると、アジアに対してもマイナスとなります。また、今後人民元高による円高リスクは残るものの、米国以上に日本の景気が弱含むため、景況格差要因から円安になる可能性が高い。

  • ユーロドル相場

米欧間の政策金利の逆転と金利差拡大観測に加え、EU憲法批准問題などから中期的なピークからの下落局面との予測です。